LANGUAGE JP EN CH KR
伽藍と名宝

伽藍と名宝

金堂

国宝 奈良時代(8世紀後半)
寄棟造・本瓦葺

南大門をくぐった正面にその荘厳な姿を見せる金堂は、8世紀後半の創建時の姿を残す代表的な建築物です。

外観は、正面間口七間(中央間は約4.7m、両端へは次第に狭くなり、3.3m)、奥行き四間の寄棟造で、前面一間通りが吹き放ち、軒を支える組み物は三手先(みてさき)と呼ばれる形式で、その建立年代を示しています。

堂内は、連子窓から取り入れられた柔らかな光に満たされ、中央に本尊・盧舎那仏坐像、右に薬師如来立像、左に千手観音立像(いずれも国宝)が並ぶ姿は、天平時代を彷彿させる厳かな雰囲気に包まれています。

国宝 奈良時代(8世紀)
脱活乾漆 漆箔

金堂の本尊で高さは、3メートルを超え、光背の高さは、5.15mにもおよぶ巨像です。奈良時代に盛んに用いられた脱活乾漆造でその造形は雄大さとやわらかさを併せ持ち、唐代の仏像に通じる唐招提寺のご本尊にふさわしい仏像です。また、背後の光背の化仏の数は、862体ありますが、本来は1000体であったといわれています。

国宝 平安時代(9世紀)
木心乾漆 漆箔

本尊、盧舎那仏坐像の向かって右側に安置される立像で、高さ3.36mです。本尊、千手観音像にやや遅れる平安時代初期に完成したと考えられます。伏目がちな表情などから全体的に重厚な印象がある仏像です。
昭和47年の修理の際に左手掌から3枚の古銭が見つかり、その年代からも平安初期の完成であることが明らかになっています。

国宝 奈良時代(8世紀)
木心乾漆 漆箔

本尊、盧舎那仏坐像の向かって左側に安置される高さ5.36mの立像。
大脇手42本、小脇手911本、合わせて953本の腕は、バランスよく配され不自然さを感じさせません。また、本来は1000本あったと考えられています。全体的にのびやかな印象と、すずし気な目鼻立ちが印象的です。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

四天王は仏教世界を護る護法神です。
本来は金堂の須弥壇の四隅に安置され、梵天・帝釈天立像と同時期、同一工房の作と考えられています。四像とも丸みを帯びた顔は、やや平板な目鼻立ちながら重厚な表情で、体つきは全体に力強い印象を与えます。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

金堂の須弥壇の東南に位置する四天王の一つで高さ1.85m。
甲冑で身を固め口をへの字に曲げて剣を構える姿は、まさしく武装神といった趣をかもし出しています。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

金堂の須弥壇の西南に位置する四天王の一つで高さ1.87m。
口を大きく開いた表情に、振り上げた右手には鈷(こ)を持つ姿は、まさしく魔物を威嚇する迫力があります。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

金堂の須御壇の西北に位置する四天王の一つで高さ1.86m。
甲冑を身にまとい、右手に筆、左手に経文を持っています。表情は口を固く結び、静かな厳しさを感じさせます。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

金堂の須御壇の東北に位置する四天王の一つで高さ1.88m。
右手に宝塔、左手に戟(げき)を持ち、引き締まった表情でたたずむその姿には、広目天像と同様に静かな厳しさを感じます。

国宝 奈良時代(8世紀)
木造・乾漆併用 彩色

本来は、金堂本尊・盧舎那仏坐像の左右に安置されていたもので向かって右に梵天、左が帝釈天です。古代インドの護法神で、一対で造像されることが多い仏像です。
両像とも鎧の上に裳(も)をまとい、沓(くつ)を履き、梵天は、さらに袈裟をつけた姿となっています。
大らかな作りの表情は、柔和な印象をたたえています。

>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>