鑑真大和上御身代わり像
開山堂は元禄時代に徳川家歴代の御霊殿として建立され、その後明治14年(1881)に鑑真大和上の尊像を安置するため現在の位置へ移築されました。国宝の和上像が御影堂へ移されたのち、覚盛上人・聖武天皇・徳川家康の坐像を安置した本願殿として参拝されていましたが、御堂の老朽化をうけて改修工事を行い、鑑真大和上円寂から1250年になる平成25年(2013)、大和上のお姿を写した「御身代わり像(おみがわりぞう)」がつくられ、再び開山堂として落慶致しました。
他の脱活乾漆造とは異なる特殊な工法
1. 木を使って骨格を作り、藁を巻く。
2. 粘土を使って肉付けする。
3. 表面に麻布と漆を交互に張り付ける。
4. 乾いたら背中から粘土を取り出す。
5. 像の開口部を閉じる。通常は変形止めに心木を入れるが、和上像にはない。
6. 色を塗る。彩色後に密陀僧油を塗布して肌の質感を出す。
7. 完成。
写真提供:(公財)美術院・飛鳥園